研究課題
若手研究
潰瘍性大腸炎モデルにおける大腸粘膜修復過程においてVEGFR1シグナルの役割を調べた。DSS誘導腸炎における粘膜修復はVEGFR1シグナルに依存していた。そのメカニズムは、修復粘膜組織にVEGFR1陽性CXCR4陽性Treg細胞がSDF-1/CXCR4経路を介して集積し、血管新生促進因子TGF-βを産生することで血管新生を誘導して粘膜修復を促進することが示された。VEGFR1シグナルは潰瘍性大腸炎を軽減し粘膜修復を促進する治療標的となる可能性が示唆された。
消化器
潰瘍性大腸炎の粘膜修復制御機構はこれまで十分理解されていなかった。本研究ではVEGFR1シグナルがSDF-1/CXCR4経路を介してTreg集積を誘導し、血管新生を促進することで粘膜修復を増強するという新規のメカニズムを明らかにすることができた。TregにおけるVEGFFR1シグナル活性化を標的とした新しい潰瘍性大腸炎寛解療法に結びつく可能性が期待される。