近年、日本国民の約3人に1人が主に生活習慣に由来する非アルコール性脂肪肝であると推定されており、その10~20%が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進行すると言われている。炎症状態が持続すると、細胞外基質が組織に蓄積する線維化が進行する。肝臓の線維化の最終形態は肝硬変であり、肝細胞癌も好発する。 本研究により、OGFRL1による線維肝の再生と胎仔肝の発生に共通する分子機構の一端を明らかにした。線維肝の再生機構を解明することは、学術的意義のみならず、100~200万人にも上ると推定されるNASH患者、その他の原因による肝線維症患者に対する治療薬や治療法の開発につながり、社会的意義も大きい。
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