研究実績の概要 |
マイトファジーレポーターマウス(OMP25-mCherry-GFPトランスジェニックマウス)の飼育を開始した。まずは通常食、メチオニンコリン欠乏食(MCD)、高脂肪食(HFD)を投与し、サンプルを回収した。マイトファジーレポーターマウスとC57B6Jマウスにおいて、特殊食餌投与によりモデルとして差がないかを肝組織で評価したが、脂肪や線維化の程度は、HFD、MCD各々でそれほど変化はなく、マイトファジーレポーターマウスでもMCDやHFDによる特殊食餌でもモデルとしては有効であることを確認した。マイトファジーレポーターマウスでは、心筋や骨格筋ではマイトファジーを示唆するmCherry単独の観察が比較的明瞭に観察されるが、肝臓においては自家蛍光の影響で、安定した観察が確立できていない状況である。クエンチング処理を行ったが、やはり自家蛍光は抑えられていない状況である。q-PCRによるマイトファジー関連遺伝子であるBNIP3, BNIP3Lを評価したところ、HFDとMCDでは発現が低下していた。ミトコンドリアの機能評価としてATP assayを行ったが、こちらもSCDと比較してHFDでは優位に低下、MCDでは統計学的に差は認めなかったが、低下傾向であった。蛍光顕微鏡による肝細胞のマイトファジーの評価は困難と判断し、ウエスタンブロッティング、免疫蛍光染色画像で、BNIP3など評価したが、有意な差は認めなかった。これ以上の研究継続は困難と判断し、研究を終了とした。
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