ω-6脂肪酸は体内の遊離脂肪酸の約3割を占め、生体内では合成出来ない必須脂肪酸である。本課題は、ω-6脂肪酸が肝細胞恒常性維持に与える影響と、非アルコール性脂肪性肝疾患におけるω-6脂肪酸の意義を明らかにすることを目的に行った研究である。培養細胞とマウスを用いた研究結果から、非アルコール性脂肪性疾患モデルにおいてω-6脂肪酸代謝酵素の発現が上昇していることと、ω-6脂肪酸の後期代謝産物に肝細胞保護効果があることを明らかにした。臨床検体を用いた検討により、ω-6脂肪酸代謝酵素Fads1活性の高い症例において非アルコール性脂肪性肝疾患の病態が増悪していることが示された。
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