近年、生体内の組織、臓器に極めて近い構造で細胞を増幅させる3次元培養システムとしてオルガノイドという手法の有用性が報告されている。今回、本研究ではIPMNに対してERCPにより採取した膵液より培養したIPMNオルガノイド細胞株を使用し、高感度の病理診断法の確立を試みている。オルガノイドにより同型の細胞を増やすことで診断に有用となる可能性が示唆される。また採取したオルガノイド培養株から継続して遺伝子解析を行っている。引き続き良性IPMNの化学予防薬剤と、悪性IPMNに対する抗腫瘍薬剤からなる新規治療薬剤の同定を目指している。
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