研究実績の概要 |
本研究は人工知能を用いた潰瘍性大腸炎関連腫瘍の超拡大内視鏡による診断法の開発を目的としている。当初、腫瘍・非腫瘍の鑑別を目的としていた。人工知能の構築には主に①機械学習のアルゴリズムの開発②機械学習用画像のアノテーションが必要となる。①機械学習のアルゴリズムの開発は先行研究で既に終了しているため、本研究の具体的な目標は②機械学習用画像のアノテーションおよび構築した人工知能の評価である。R3年度は機械学習用画像のアノテーションの基なる、潰瘍性大腸炎関連腫瘍の腫瘍・非腫瘍鑑別のための超拡大内視鏡診断法の構築に取り組んだ。結果をまとめて英文論文とし採択された。(Kudo SE, Maeda Y, Ogata N, et al. Combined endocytoscopy with pit pattern diagnosis in ulcerative colitis-associated neoplasia: a pilot study. Dig Endosc. 2022)また、超拡大内視鏡診断法に基づき機械学習用画像のアノテーションを行いプロトタイプの作成をおこなった。続いて、病変発見支援のためのソフトウェアの構築のため、現在市販されているCADeでの潰瘍性大腸炎患者サーベイランスでの有用性を報告した(Maeda Y, Kudo SE, Ogata N, Misawa M, Mori Y, Mori K,Ohtsuka K. Can artificial intelligence help to detect dysplasia in patients with ulcerative colitis? Endoscopy. 2021)一方で、高度炎症粘膜や炎症性ポリープなどを腫瘍性病変と誤診する課題を明らかにした (Maeda, Misawa et al UEGW 2022)。
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