研究課題/領域番号 |
20K17008
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川岸 直樹 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (90849374)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | angiopoietin2 / HCV / HCC |
研究実績の概要 |
慢性C型肝炎に するSVR症例は多くが肝線維化の改善と肝発癌率の低下が期待されるが一部の症例においてはSVR後も肝線維化の非改善とそれに引き続く肝発癌が認めらえる。申請者はSVR後発癌と強く関連する肝線維化非改善と門脈亢進を介したangiopoietin2発現上昇が関連する事を同定した。本年度は引き続き、このangiopoietin2上昇が長期間における肝線維化非改善と関連するかを検討とSVR後発癌との関連を検討した。HCV治療後、2年経過した症例において治療前・治療後の肝硬度と二年後の肝硬度を比較検討し、それに関係する因子について検討し、治療前のangiopoietin2が、2年後の肝線維化非改善と関連する事を明らかにした。更に、治療終了時の肝硬度と二年後の肝硬度を比較検討しても、治療終了後のangiopoietin2値は、治療終了後2年後の肝硬度非改善と関連する事も明らかにした。更に非代償性肝硬 症例における 討における検討では、非代償性肝硬 症例に対する、SOF/VELが認可され、HCVウイルス排除後に、肝予備能の非改善線維化非改善症例が一定の割合で 存在する事が報告されたが、その予測因子については十分には明らかになっていないかった。我々は、非代償性肝硬変症例においてもangiopoietin2が、非代償肝硬変症例における、肝予備能非改善と関連する事を明らかにした。加えて、SVR後発癌症例、非発がん症例の検体収集を行いSVR後発癌とangiopoietin2との関連を検討し、angiopoietin2がSVR後発癌を予測しうる可能性を見出し、更なる検討を現在行っている
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文による成果報告とともに、検体収集等も順調に進んでいらう
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今後の研究の推進方策 |
今後は、肝線維化改善と関連する因子の基礎的検討を下記の如く、進めていく予定である。実臨床における多 例での前向きの検討:申請者の所属する北海道大学関連病院からなる肝疾患臨床研究グループNORTE Study GroupにおいてDAAs治療多 例の血清よりエクソソームを抽出しmiRNA Aを含め既に同定した血清miRNAバイオマーカー候補の肝線維化改善予測精度を検証する。HCV排除により増加する肝細胞由来エクソソーム miRNA解析と肝星細胞活性化抑制化作用の検討:HCV replicon細胞にSOFにてHCV排除を行うとmiRNA Aが培養上清中のエクソソームで上昇する事を予備的な検討より明らかとした。すなわち、HCV排除により肝細胞由 エクソソーム miRNA Aの増加が肝線維化改善と関連する可能性が想定され、何らかの要因にてmiRNA Aが増加しない症例が線維化非改善となる可能性が想定された。そこで、この仮説を証明する為に1)HCV replicon 感染細胞、非感染細胞の培養上 清中エクソソームを肝星細胞に添加、TGF-b治療後のCCL-2抑制を含めた炎症、線維化抑制作用を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染の影響で一部研究実施がおくれている為
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