研究実績の概要 |
原発性硬化性胆管炎(Primary Screlosing Cholangitis: PSC)は胆管障害による細胆管増生反応と輪状線維化を特徴とするがその病因は未だ解明されていない。また根治的治療は肝移植のみであるのが現状である。本研究ではこれらの成果を発展させ、胆管障害後の再生反応と考えられている細胆管増生反応細胞が炎症と線維化を惹起する主細胞であることを明らかにし、その制御因子としてEVsが病態形成に関与していることを培養細胞及びPSCモデルマウスからの細胆管増生細胞オルガノイド樹立実験により解明することを目的とした。 最終年度は胆管細胞オルガノイドからEVsを抽出し、マクロファージへの添加実験を行った。EVs刺激後のマクロファージの極性をM1マーカーの炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6など)や、M2マーカーのCD206, Arg1, Ym1を測定確認すると、EVs刺激後の炎症性サイトカインが上昇しており、M2マーカーは特に変化がなかった。これによりEVs中の刺激が炎症に関与することが示された。 今後はさらにこの結果を発展させて具体的な炎症誘導経路を免疫染色などにより検証していきたい。
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