原発性硬化性胆管炎に特徴的な胆管障害が細胞外小胞(EVs)により誘導される新規機序の解明を目的としているが、本研究では胆管上皮細胞の培養とそこから放出されるEVsの抽出を行った。胆管上皮細胞の管腔側と基底膜側ではEVs蛋白組成が異なり、その中でもS100蛋白が特異的な発現であった。shRNAを行いノックダウンした細胞からEVsを抽出し、炎症細胞に刺激すると炎症性サイトカインの発現(TNFα、IL-1β、IL-6)が上昇していた。従って胆管上皮細胞からのEVsが胆管炎などの病態形成に関与することが示唆される結果であった。
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