研究課題/領域番号 |
20K17014
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥新 和也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40753918)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 胆汁酸トランスポーター / bile salt export pump / Gut-Liver axis / 腸内細菌叢 |
研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎の病態解明を目的として、肝臓のみに発現している胆汁酸トランスポーターbile salt export pump (BSEP)の発現を抑制したマウスモデルを作成して検討を行った。本マウスに高脂肪食を摂取させたところ、体重増加の抑制および肝脂肪化の低減が確認され、肝臓および腸管における幅広い代謝関連遺伝子の発現にも変化を生じることが明らかとなった。さらには腸内細菌叢にも特徴的な変化が確認できた。これらの結果は、BSEPがGut-Liver axisと称される肝臓から腸管、そして全身の臓器の働きをつなぐ重要な役割を行っていることを示唆する重要な知見であると考えられた。
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自由記述の分野 |
肝臓病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非アルコール性脂肪肝炎は肝臓のみならず、糖尿病や大血管イベントにも関与が示唆される重大な疾患であるが、その病態は未だに不明な点が多く、有効な治療は確立していない。 本研究成果は、胆汁酸トランスポーターであるbile salt export pump (BSEP)が、肝臓における胆汁酸代謝のみならず、腸管や腸内細菌叢、そして全身まで影響を及ぼすことを示した重要な知見と考えられる。 BSEPがこれらの変化を生じる詳細なメカニズムの解明は、科学的に重要な知見であるのみならず、BSEPを標的として非アルコール性脂肪肝炎に加えて全身の代謝性疾患の病態解明および治療法の開発に寄与することが期待される。
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