本研究によって、癌の次世代早期診断マーカーであるマイクロRNAの表在型食道癌における発現パターンを明らかにした。また食道癌の深達度および脈管侵襲に関連するmiRNAについての発現プロファイルを行いmiRNA signatureを樹立し、これらのmiRNAが診断バイオマーカーとして役割を果たす可能性を示した。表在型食道癌の腫瘍組織では、特にmiR-21-5pとmiR-146b-5pが高発現し、miR-210-3pの低発現していた。合成miR-21-5pの導入で食道扁平上皮癌細胞株の細胞増殖が促進されており、miR-21-5pの過剰発現が初期の腫瘍増殖・浸潤のメカニズムに関与するものと考えられた。
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