食道の内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)後に自家口腔粘膜上皮細胞シート移植を受けた10名の長期予後を検討。経過観察中に内視鏡的に前癌病変が疑われたESD瘢痕組織の組織学的評価、53BP1免疫蛍光を用いて局所DNA損傷反応を移植なしの患者のESD後生検標本5例と比較検討。移植後の長期経過としては局所再発2例、異時性の原発食道癌1例、リンパ節転移1例。局所再発と転移性食道癌の患者にはESDを行い、リンパ節転移の患者には化学療法を実施。移植患者のうち1名は他疾患で死亡したが、原疾患での死亡はなし。蛍光免疫組織化学では、移植後とコントロール群との移植なし群間でDNA損傷反応に統計的な差はなかった。
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