研究課題/領域番号 |
20K17026
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
早坂 尚貴 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00792665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 食道癌 / STEAP1 / 薬剤耐性 / 発癌機序 |
研究実績の概要 |
KYSE30,KYSE150,TE-1の細胞株を用いてsiRNAによるSTEAP1 Knock downによるviabiityへの影響、および薬剤感受性試験をWST-1 assayを用いて検討した。途中経過ではあるが、STEAP1 Knock downすると細胞増殖がやや抑制されていることを見出した。また、同じWST-1 assayを用いてSTAEP1は5-FUおよびCDDPの感受性を検討したところ、両者に大きな影響は及ぼしてはおらず、薬剤感受性と直接の関係はないようであった。これについては引き続き検討を進める。また、Cell cycle assayを用いてSTAEP1 konck downが細胞周囲に及ぼす影響を検討したところ、STEAP1 knock downによりG1 arrestが惹起されていることを見出した。さらにAnnexin/7-AAD assayにてapoptosisとの関連を検討したが、apoptosis誘導を示唆する結果は認めなかった。以上より、STEAP1は細胞増殖および細胞周期との関連が示唆された。しかし、発癌との関連は不明であること、そして細胞増殖に関っている具体的な分子を検討が必要であったため、STEAP1 Knock down前後のRNAを用いてRNA sequence解析を行った。Knock down前後で変動のある遺伝子を検討したところ、JAK-STAT経路に変化があることを見出した。現在、関連分子の発現等をWestren blottingやPCR法を用いて解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
WST-1 assayやWestern blottingなど基礎的な研究手法を用いて解析を進め、さらにRNA-seqを用いて網羅的な解析を行うことで本研究の目的である病態修飾機序の解析を進められている。現在有望と思われる経路の解析を進めることで、さらに研究内容を深めたい。
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今後の研究の推進方策 |
現在注目しているJAK-STAT経路と食道癌の関連を詳細に解析し、発癌や増殖への影響を検討進める。また、更なる新たな関連分子・遺伝子の探索を行い、病態解析を進める。細胞株レベルでの検討が進めば、臨床検体での検討にも移行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
先述した食道癌の病態機序の解析がまだ完了しておらず、本研究を継続する必要があるため。具体的にはWestern blottingやPCR、さらに臨床検体を用いる研究に入った際はlaser micro disesectionも予定している。
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