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2022 年度 実施状況報告書

がん免疫療法研究に寄与する革新的な肝胆膵がん免疫系ヒト化マウスモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K17044
研究機関金沢大学

研究代表者

丹尾 幸樹  金沢大学, 附属病院, 助教 (80807397)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード肝胆膵がん / がん免疫療法 / ヒト化マウス / PDXマウスモデル
研究実績の概要

消化器がんの中で、特に予後不良ながん種である肝胆膵がんは、有効な治療法の開発が求められている。本研究では、肝胆膵がんに対するがん免疫療法の治療効果を正しく評価する事が可能な、同一患者から得られたがん細胞とiPS細胞由来免疫細胞を移植したヒトがん免疫マウスモデル開発を目的としている。これまでに、膵がんではEUS-FNA検体や腹水中の細胞を用いて3つの膵がんPDXモデルを樹立した。そのうち2つは膵がん細胞株化に成功し、これらはマウスへの皮下移植が可能であり、がん免疫マウスモデルに使用可能な細胞と考えられた。さらに、腹水細胞由来とする細胞株は皮下のみならず腹腔内にも生着可能で腹膜播種モデルとしても使用可能な細胞株であった。本年度は、この腹膜播種モデルの基となったがん患者のリンパ球からiPS細胞を樹立した。さらに本年度は、別の膵がん患者リンパ球から樹立したiPS細胞を用い、iPS細胞のマウス骨髄内への移植による生着と血液細胞分化の有無を確認した。まず、樹立した未分化のiPS細胞を、化学的に骨髄機能を抑制した免疫抑制マウスの腓骨髄内に移植した。移植後6週以降、経時的にマウス尾静脈から採血を行い、マウス血中のヒト免疫細胞の有無をフローサイトメトリーで解析したが、残念ながらヒト免疫細胞の存在は確認できなかった。
現在、iPS細胞の血液細胞への分化誘導やマウスへの効率的な移植方法について研究を行っている。また、将来のがん免疫モデル作成に必要な肝胆膵がん組織からのPDXマウスの作成、細胞株樹立ならびに同一患者からのリンパ球回収・保存、iPS細胞作製を並行して行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ヒトiPS由来造血幹細胞の移植によるヒト化免疫マウス樹立に難航しており、計画より遅れが出ている。

今後の研究の推進方策

現在、iPS由来造血幹細胞もしくはiPS細胞の移植生着・分化効率を向上する方法を模索している。骨髄内への移植実験をさらに発展させiPS細胞定着を図る。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画に比べ実際の研究遂行に遅れが生じており、研究を遂行するための費用として次年度使用額が生じた。さらに、研究成果を取りまとめて学会や論文に報告するための資金としても使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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