研究課題/領域番号 |
20K17052
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三好 人正 徳島大学, 病院, 診療支援医師 (00814625)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 食道腺癌 / miRNA / エクソソーム / AI |
研究実績の概要 |
TCGA public databaseからEAC組織(n=89)と正常食道組織(n=13)をRNA-Seq解析して得られた1046種類のmiRNA発現データを入手し、AIに機械学習させた。1046種類のmiRNAから癌診断に最適なmiRNAパネルを選択した。機械学習は、①Filter Method(F-score)、②Wrapper Method(SVM-RFE)の2つのアルゴリズムを順に用いる2段階式の選択手法を行い、14種類のmiRNAを同定した。このパネルの診断能をROC解析により検証すると、AUC=0.97の精度で癌を診断できた。さらにTCGAから得た他の様々な癌腫(大腸癌、胃癌、膵癌、腎癌、卵巣癌、脳腫瘍)のデータを用い、このパネルの診断能を他の癌腫でも比較検討すると、14-miRパネルはEAC診断に最も特異性が高いことが検証できた。 14-miRパネルを用いてさらにエクソソーム中のmiRNA発現を確認し、最終的なEAC早期診断miRNAパネルを作成した。 加えて、training cohortを用いてEAC診断モデル式を作成し、最後にvalidation cohortを用いてこのモデル式の早期診断能や臨床有用性などを検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は予定通り順調に進んでいる。 アメリカ人の EAC(n=44)、前癌病変であるバレット食道(n=20)、健常者(n=30)の血清を用い、血清からエクソソームを超遠心分離機を用い超遠心分離法で精製、次いでエクソソーム中のmiRNAをスピンカラム法で抽出後、14種の各miRNAをTaqMan real-time PCR(qRT-PCR)法にて測定する。エクソソーム中のmiRNA発現をEAC、バレット食道、健常者で比較し、EACで優位に高発現するmiRNAをEAC早期診断miRNAパネルとした。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究施設から得たイタリア人の独立コホート血清(EAC:86, 健常:64)を用い、エクソソームを精製後、その中のmiRNA発現をqRT-PCR法にて測定する。 また、SVM(Support Vector Machine)アルゴリズムで機械学習させ、EAC診断モデル式を構成する。 さらにイギリスコホート血清(EAC:206, HGD:20, 健常:80)を用い、作成した診断モデル式を再評価する。超早期癌であるHGDを健常者と比較し、このモデル式の早期診断能や臨床有用性などを検証する。
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