研究課題/領域番号 |
20K17057
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
須藤 豪太 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (60830130)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大腸がん / 粘膜下層浸潤 / 腫瘍微小環境 / サイトカイン / MMP9 |
研究成果の概要 |
大腸がんの粘膜下層(SM)への浸潤・転移は、早期がんの治療方針を決定する上で重要な問題であり、正確な予測マーカーや新規治療標的の同定が必要である。SM浸潤に関わる分子を同定するため、申請者らは大腸がん臨床検体のトランスクリプトーム解析を行った。その結果、大腸SMがん浸潤先進部領域の低分化成分・簇出においてSAA1 (serum amyloid A1)が高発現し、かつその周囲にマクロファージと好中球が有意に集簇していることを見いだした。マクロファージ由来のIL-1βが、大腸がん細胞のSAA1発現を誘導すること、さらにSAA1がマクロファージや好中球のMMP9発現を誘導することを明らかにした。
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自由記述の分野 |
消化器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸粘膜下層浸潤がん(SMがん)の約90%はリンパ節転移がなく、低侵襲な内視鏡治療により根治切除が可能である。しかし、現行の転移リスク層別化基準に従って、内視鏡治療後に追加外科手術を行ったSMがん症例の約90%が過剰な外科治療となっている。我々は浸潤先進部の低分化成分・簇出において、SAA1が特異的に高発現することを見いだした。さらに免疫組織染色解析から結果、SAA1高発現領域の周囲にマクロファージと好中球が有意に集簇すること、これらがSSA1刺激によりMMP9を産生することを明らかにした。本研究から、SAA1が浸潤・転移予測マーカーや治療標的として有用性である可能性が示された。
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