研究課題
本研究では、10人の消化管神経内分泌癌より、がん部および非がん部の内視鏡生検組織の収集を実施した。原発臓器は、胃(N=8)、食道(N=1)、肛門管(N=1)であった。1. ターゲットシークエンスに基づく遺伝子異常生検検体を用いてターゲットシークエンスを行い、希少である消化管神経内分泌癌の遺伝子異常プロファイルを探索した。特に、胃神経内分泌癌 (N=8)では、ORBU1 (100%), HLA-A (100%)、HLA-B (100%), TP3 (100%)、BARD1 (88%)などの遺伝子に高頻度に遺伝子異常が認められた。治療標的となりえる遺伝子異常として、ERBB2増幅 (50%)をはじめとして、BRCA1変異 (25%)、FGFR2増幅 (25%)、EGFR増幅 (13%)が認められた。これらの結果は、胃神経内分泌癌における遺伝子パネル検査を基にした個別化医療の可能性を示している。2. プロテオーム解析生検検体を用いて、プロテオーム解析とリン酸化プロテオーム解析を行った。プロテオーム解析では6000個のタンパク質、リン酸化プロテオーム解析では20000個のリン酸化サイトが検出され、高感度な解析結果が得られた。主成分解析では、がん部と非がん部が明瞭に分離され、がん部におけるプロテオームおよびリン酸化プロテオームレベルの異常が確認された。取得された情報を用いて、Gene Set Enrichment AnalysisおよびPTM-Signature Enrichment Analysisを実施し、各消化管神経内分泌癌の異常を探索した。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Computational and Structural Biotechnology Journal
巻: 21 ページ: 2172-2187
10.1016/j.csbj.2023.03.006.
Scientific Reports
巻: 12(1) ページ: 17601
10.1038/s41598-022-22718-8.
巻: 12(1) ページ: 4419
10.1038/s41598-022-08430-7.