我々は独自に開発した心不全モデルマウスを解析することにより、心血管病における役割が明らかでなかった抑制性Gタンパクサブユニット(Gαi/o)ファミリーのサブタイプの一つであるGαoが、不全心室筋で発現増加し、心不全の発症・進展に寄与するという新知見を見出すに至っている。本研究ではその分子メカニズムとして、Gαoの発現増加によりマウス心室筋細胞のL型Caチャネル電流の局在が変化する(T菅ではなく細胞表面膜を介したL型Caチャネル電流が増加する)ことを明らかにした。またこれはL型Caチャネルの細胞内局在ではなく活性(開口確率)の変化によるものであることを明らかにした。
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