『マイトラクリップ術前後の左室圧容積曲線の解析と予後予測の研究』に対して予定通り2020年度より研究を開始した。まず研究プロトコールを再確認し、実際のカテーテルを使用しドライランを行った。その後倫理委員会の承認を取得し実際使用する道具の確保を行ったがCOVID-19の流行が始まり診療が停止するとともに、PVコンビネーションカテーテルはすべて輸入品のため供給も停滞、院内の立ち入り制限などがあり研究が大幅に遅延した。2020年度は予定5件を下回る3件のデータを収集した。2021年もCOVID-19の流行下でデータ収集は大幅に遅延、予定の5件を下回る3件のデータ収集を行った。データ追加のため2022年度には2件の症例を追加し計8件とした。研究が大幅に遅延したため症例登録は8例で終了としデータ解析を行っている。 2020年、2021年、2022年施行した8例で解析中である。全例で術後に僧帽弁閉鎖不全症はsevereからmild程度と減少し、左房圧の減少、心係数の上昇を認めた。それに伴い自覚症状の改善を認めた。NT-proBNPは低下する症例としない症例があった。エコー上LVEFは低下していた。PV loopの解析では左室拡張末期容積の低下、心臓の収縮性 (Ees)の低下、拡張性(EDPVR)、stroke workの改善を認めているが現在詳細なデータを解析中である。注目していたstroke workとBNPとの関係、改善をもたらす因子に関して統計的な解析中である。解析が終了したら、論文作成に取り掛かる予定である。
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