ST上昇型急性心筋梗塞(ST-segment elevation myocardial infarction: STEMI)患者に対する経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention: PCI)は生命予後の改善をもたらした。しかしPCIにて責任病変を開大しても、末梢のflowがでない、いわゆるno-reflow現象が生じる場合がある。No-reflow現象は予後不良のため、その発生予測方法を求められてきた。近年、遠位保護デバイスから回収したプラーク内容物に、コレステロール結晶(cholesterol crystal: CC)が多く含まれることが報告された。また我々は最近、病理組織標本を用いた研究を行い、光干渉断層法(optical coherence tomography: OCT)を用いることで冠動脈プラーク内のCCを検出することが可能であることを報告した。 そこで我々は、OCTを用いて、STEMI患者の責任病変におけるCCとPCIに伴うno-reflow現象の関連について検討した。
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