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2022 年度 実施状況報告書

生体内コレステロール結晶の三次元構造解析によるプラーク破裂発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17092
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

片山 陽介  和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10714214)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードコレステロール結晶 / 急性心筋梗塞
研究実績の概要

近年、我々の生体内イメージングを用いた研究により、動脈硬化病変に存在するコレステロール結晶が心筋梗塞発症のトリガーであることが明らかとなり世界的に注目されている。コレステロール結晶には、針状、板状、凝集状の形態が存在し、炎症惹起性や力学的応力などが異なる。そのため三次元構造の差異は、病態に影響を及ぼしていると示唆されている。しかし結晶の三次元構造を生体内で可視化する機器は存在せず病態との関係は不明である。本研究の目的は、高解像度三次元光干渉断層法(HR-3D-OCT)を開発し、動脈硬化病変におけるコレステロール結晶の三次元構造と病態との関係を明らかにする事である。本研究は剖検心を用い、HR-3D-OCTの診断精度と、コレステロール結晶の三次元構造と局所炎症反応の関係を明らかにする。臨床研究から、生体内コレステロール結晶の三次元構造とプラーク破裂との関係を明らかにすることである。本年度の研究実績としては、急性心筋梗塞の発症機序にコレステロール結晶が関与している可能性があること、特に、コレステロール結晶が外気温の低下に応じて冠動脈プラーク内に析出しすることでプラーク破裂を引き起こし心筋梗塞発症させる可能性を示した。また、そのプラークの治療に伴い、コレステロール結晶が冠動脈内に遊離し、no-reflow現象を引き起こし、心筋梗塞の梗塞範囲を拡大させる可能性を示した。以上の内容を動脈硬化学会総会のシンポジウムで発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナによる物流、人員の低下や半導体不足により、コレステロール結晶の3D構築に必要なシステムのセットアップが遅れているため。

今後の研究の推進方策

シドニー大学の研究施設とコラボし、コレステロール結晶の三次元構造の違いによる心筋梗塞梗塞範囲の違いの検討、およびコレステロール結晶による心筋梗塞の拡大を抑制する治療システムの開発を行う方策である。

次年度使用額が生じた理由

血管内のコレステロール結晶を三次元構築するOCTプローベがCOVID-19の影響で調達できなかったため、次年度使用額が生じた。情勢が落ち着いてきたため、物品の調達が可能になってきおり、当初の研究計画を遂行することができると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Acute coronary syndrome due to plaque erosion likely triggered by insect bites: a case series of Kounis syndrome2022

    • 著者名/発表者名
      Katayama Yosuke、Taniguchi Motoki、Ota Shingo、Satogami Keisuke、Ozaki Yuichi、Ino Yasushi、Tanaka Atsushi
    • 雑誌名

      European Heart Journal - Case Reports

      巻: 6 ページ: -

    • DOI

      10.1093/ehjcr/ytac216

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 急性心筋梗塞責任病変におけるコレステロール結晶検出の意義2022

    • 著者名/発表者名
      片山 陽介
    • 学会等名
      第54回日本動脈硬化学会総会・学術集会
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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