急性増悪期心不全患者の多施設共同心不全レジストリ(WET-HF)では、左室駆出率が保たれた心不全(Heart Failure with Preserved Ejection Fraction; HFpEF)患者を前向きに登録し、2021年4月現在、計270例の心不全患者登録を完了している。 そのうち、防衛医科大学校病院に入院した全症例について入院中心エコー検査を施行し、左房・右室ストレインを含めた詳細な検討を行っている。また入退院時に採血を行い関連するバイオマーカーの測定を進めている。その一つとして、近年サルコペニアは左室拡張障害と関連することが複数のグループから報告され、そのメカニズムとしてインシュリン抵抗性が関連する可能性が想定されている。そこでサルコペニア指標と関連が深いとされるミオスタチンの測定を行っている。また、腸内細菌由来物質で心筋傷害と関連するとされるインドキシル硫酸、TMAO(外注測定)の測定を進めている。 最終的な統計解析は、留学から帰国後に予定している。
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