研究課題
女性拡張型心筋症におけるジストロフィン異常症に関する、デュシェンヌ型筋ジストロフィー保因を評価するために、病理検体を用いて免疫染色を試みた。当初予定した抗体での染色性に問題があることが発覚したために、再度抗体の評価と選出を行った。結果として、C-termina・N-terminal・Rodに相当する3つの抗体を選出した。現時点で、1種類(C-terminal)の抗体を用いて、合計61検体について染色が終了した。結果として、5例にデュシェンヌ型筋ジストロフィー保因を疑う、モザイク型パターンの染色を認めた。同症例を中心に、選出した他の2つの検体についても追加染色を行う予定である。また、ジストロフィン異常を疑う高CK血症を伴う拡張型心筋症の原因検索の過程で、ジストロフィン異常を伴わないものの、抗ミトコンドリアM2抗体陽性である拡張型心筋症の症例を検出した。後ろ向きに89例の拡張型心筋症についてミトコンドリア抗体を評価した結果、4例の陽性例を発見した。ジストロフィン異常症と同様に、筋炎を合併する症例も3例認めた。心房細動や心房機能低下している症例が多い点が、他の拡張型心筋症と特徴を異とする。ジストロフィン異常症と同様に拡張型心筋症の原因疾患として重要な病態であると考えており、今後学会発表と論文化を行うことを計画している。男性ジストロフィン異常症である、ベッカー型筋ジストロフィーの病態解明については、COVID-19の状況下で多施設でのレジストリー作成に支障がある状況であり、こちらについては進捗が遅れている。また、デュシェンヌ型筋ジストロフィーまたはその保因と、ベッカー型筋ジストロフィーの患者由来のinduced pluripotent stem cells(iPS)細胞から作成した心筋細胞を用いた基礎的評価についても、レジストリー作成に遅れが出ている。他、拡張型心筋症、心不全に関連する報告を複数行った。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件) 学会発表 (1件)
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