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2020 年度 実施状況報告書

末梢血単球の糖代謝モニタリングを用いた糖尿病性動脈硬化進展予防スキームの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K17121
研究機関宮崎大学

研究代表者

松浦 祐之介  宮崎大学, 医学部, 医員 (40795853)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード糖尿病性動脈硬化 / 免疫代謝連関 / 単球 / マクロファージ
研究実績の概要

糖尿病は疫学上動脈硬化性心血管疾患の強いリスク因子であるが、なぜリスク因子となるかは明らかでない。糖尿病性動脈硬化症の病態解明と病態に基づく動脈硬化進展予防スキームの構築を目的として、多層的な検証を進めている。大動脈瘤手術時に採取された動脈硬化病変組織を用いて以下の検討を行った。①病理学的解析、②キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計を用いた組織内代謝産物量の網羅的測定、③RNAマイクロアレイ解析及びRT-PCRを用いた遺伝子発現評価である。結果、早期病変から進行病変かけて量的に有意に変動する代謝産物・代謝関連遺伝子群を認め、中でも強い変動を認める代謝経路としてキヌレニン代謝を同定した。病理学的解析においてキヌレニン代謝関連酵素のマクロファージにおける発現を確認し、引き続きヒト末梢血単核球由来マクロファージを用いて、同酵素の機能解析実験を施行し、炎症病態との関連性を見出した。糖尿病 vs 非糖尿病患者から得られた血管病変の組織内代謝産物の量的比較を行ったが、糖尿病血管病変にて糖代謝経路の亢進を示唆する所見は認めなかった。以上の結果は、Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (Nishimura et.al, 2020, Dec)に収載された。現在末梢血単核球から単球分画の単離工程の至適化を図り、引き続くフローサイトメトリー解析までのシンプルなワークフローを構築中である。末梢血単球を用いた糖代謝解析の臨床研究を本年度より開始すべく準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、新型コロナウイルス感染症による度重なる診療/研究への影響があったが、おおむね順調に進展している。今後展開を予定している臨床研究におけるシンプルなワークフローを構築中である。糖尿病患者における末梢血単球の糖代謝解析についての臨床研究を本年度より開始すべく鋭意準備を進めている。

今後の研究の推進方策

循環器疾患疑いにて血液検査を施行された糖尿病患者及び非糖尿病患者の血液検体において、フローサイトメトリーを用いた単球の糖代謝評価を行い、動脈硬化性心血管疾患の重症度や病態との関連性を検証する。また、インスリン-mTOR経路の血管細胞における機能的影響が近年注目されており、mTOR経路は代謝との幅広い関係性を持つ事から、糖尿病性動脈硬化症の基盤病態として、インスリン/mTOR経路-血管代謝を軸とした検証を追加する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Upregulated Kynurenine Pathway Enzymes in Aortic Atherosclerotic Aneurysm: Macrophage Kynureninase Downregulates Inflammation2020

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Masanori、Yamashita Atsushi、Matsuura Yunosuke、Okutsu Junichi、Fukahori Aiko、Hirata Tsuyoshi、Nishizawa Tomohiro、Ishii Hirohito、Maekawa Kazunari、Nakamura Eriko、Kitamura Kazuo、Nakamura Kunihide、Asada Yujiro
    • 雑誌名

      Journal of Atherosclerosis and Thrombosis

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.5551/jat.58248

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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