研究課題/領域番号 |
20K17125
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山口 智大 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (00847478)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 肺高血圧症 / 肺サブトラクションCT |
研究実績の概要 |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension: CTEPH)は、 肺動脈に存在する器質化血栓により肺高血圧症を来す難病である。治療法として肺動脈バルーン形成術(Balloon Pulmonary Angioplasty: BPA)の有用性は確立されているが、治療前後の微小肺動脈の閉塞・狭窄病変に対する客観的定量評価法が存在しないため、残存肺高血圧症や運動耐容能低下に対する更なる治療戦略は確立してないのが現状である。肺サブトラクションCT (Lung Subtraction Iodinemapping: LSIM) はヨード造影剤の肺組織浸潤を観察可能なため、微小肺血管の灌流を定量評価できる可能性がある。本研究では、CTEPH患者を対象に治療前後にLSIMを撮像し、微小血管病変の客観的定量が臨床心肺機能指標と相関を検討し、慢性期の運動耐容能、肺循環動態改善度の予測、およびBPA治療後に薬物療法が必要な患者を抽出する指標を確立することを目標とした。研究開始から現在に至るまで計21名のCTEPH患者に対してLSIM撮像を行い、右心カテーテル検査における圧血行動態との相関性を検討した。また、未加療時にLSIMの撮像が可能であった患者は10名であり、うち8名に対してBPAを施行した。BPAは複数回の治療が必要であり、これらの患者に対するBPA治療は現在進行中であるが、今後BPAセッション終了時に再度LSIMを撮像し右心カテーテル検査における圧血行動態指標の変化との相関を観察する予定である。同時に、BPA治療を終了した患者に対して運動負荷右心カテーテル検査や心肺運動負荷試験を行い、運動時の圧血行動態の変化や最大酸素摂取量とLSIMから得られたCT値との相関を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
慢性血栓塞栓性肺高血圧症は難病であり希少疾患であるため、本研究の対象となる患者数はは限られる。当初の予定では45例(15例×3年)と設定したが、現時点で21名の患者に対してLSIMの撮像が可能であり、CT値と右心カテーテル検査で得られる肺血管抵抗値との中等度の相関が確認できた。BPA治療終了後のLSIM撮像に関しては現時点で7名の患者で撮像が終了しており、BPA治療には半年から一年程度必要なことから、現時点での進捗としては概ね順調と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
対象患者数は現時点では概ね順調に集積が可能であった。今後はBPA治療を進め治療終了後の患者においてLSIM撮像や運動負荷右心カテーテル検査、心肺運動負荷試験などを行いデータを集積していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は出張機会も少なく旅費が抑えられたことが次年度使用額が発生した主な理由である。次年度には本研究の成果の一部を文献化することを目標としており、英文校正料や論文掲載料などに補填する見込みである。
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