研究課題/領域番号 |
20K17126
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
上田 友哉 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80755538)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | HFpEF / 体液貯留 / BIA / ABPM |
研究実績の概要 |
心不全はあらゆる循環器疾病の終末期像で、予後不良である。特に左室の収縮能が保持された心不全(HFpEF)は、収縮性が低下した心不全(HFrEF)と同等に予後不良であるが、治療法はおろか病態生理も不明である。心不全と血圧は強い関連があり、特にHFpEFはその関連が強いとされている。近年、血圧管理の重要性から、自由行動下での血圧測定(ABPM)が重要視されているが、心不全患者における検討は少ない。申請者らはABPMを用いて、夜間に血圧が上昇するRiser patternがHFpEFでのみ予後と関連していることを報告した。Riser patternとなる要因の一つに体液量の影響が考えられるため、本研究ではbioelectrical impedance analysis(BIA)により測定した体液量とABPMの結果を総合し、予後への影響を検討することで、HFpEFの病態解明と治療の開発に結びつけることを目的としている。 本研究の対象母体はNARA-HF studyに登録された心不全患者である。NARA-HF studyは急性非代償性心不全(ADHF)のために、奈良県立医科大学循環器内科に入院した患者を全例登録し、2年ごとに予後調査を実施するダイナミックコホートである。このNARA-HF studyに登録された患者のうち2020年4月から2021年3月までの期間で、HFpEFによる入院患者でBIAの測定が可能であったのは14名(LVEF 40-49%の患者(HFmrEF) 5名も含む)であった。対象者の平均年齢は77.1歳,男性が85.7%,平均のLVEF値は57.3%であった。 予後調査に向けての準備も進行しており、2021年7月頃に施行予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染症の影響により、当該施設での入院患者の制限が生じたため、対象となる患者数が研究計画時に想定した入院患者数よりも減少した。更に、感染リスクの観点から同意の取得が困難な状況が想定よりも増加していること、また患者との接触を極力減らす必要があることから、目的としているBIAやABPMの施行自体が困難となっている現状が理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19感染症の影響により、当該施設での入院患者の制限が生じたため、対象となる患者数が研究計画時に想定した入院患者数よりも減少した。更に、感染リスクの観点から同意の取得が困難な状況が想定よりも増加していること、また患者との接触を極力減らす必要があることから、目的としているBIAやABPMの施行自体が困難となっている現状が理由として挙げられる。
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