CS2群において認められた、入院中のECW/TBWの有意な低下は、体液貯留の改善を示唆する所見と考えられた。一般的にCS1は体液のセントラルシフトが主体で体液貯留は必ずしも認められないが、CS2は全身性の体液貯留が主体であるとされており、この概念とも矛盾していない。我々の知る限り、CSの体液バランスにおける概念を定量的に示したのは今回の報告が初めてである。 本研究にて、CS1とCS2の体液貯留量のバランスに差があることが確認された。このことは心不全患者への、より的確な治療法の選択に寄与すると考えられる。今後はABPMの結果も踏まえ、心不全の各タイプにおける体液バランスについての検討も重要である。
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