肺高血圧症は、遺伝的素因、膠原病、短絡性心疾患、肝障害など様々な背景疾患と関連して肺動脈にリモデリングを生じる。肺動脈リモデリングの機序は未だ不明だが、何らかの背景疾患に共通した経路で障害を受けて肺高血圧症病態を形成していると考えられている。肝臓は、多臓器と密接に連関する人体最大の臓器で、肺高血圧症でも重要な役割を果たしている報告もあり、詳細は不明だが、肝臓を中心とした「肺ー肝ー腸相関」が存在する可能性がある。本研究では、モデル動物の肝臓RNAシークエンス解析と肺高血圧症患者検体の網羅的な解析を通じて、肝臓における保護遺伝子Xが肺高血圧症で重要な働きをすることを明らかにした。
|