遺伝性背景が不明の肺高血圧症患者に対して全ゲノムシーケンスを実施し、発症の病態の探索を行った。単一遺伝性疾患と多因子遺伝性疾患を想定し、単一遺伝性疾患としては、GWASやエクソームシーケンスでは検出困難な遺伝子構造異常の検出を試みた。多因子遺伝性疾患としては、血管の緊張度、血管壁の弾力性の異常、脂質代謝異常、凝固異常を引き起こしうる稀なバリアントに絞り込み、その相互作用を検証した。11家系の患者に全ゲノムシーケンスを実施し、単一遺伝性疾患モデルの原因となりうる遺伝子構造異常は検出されず、多因子遺伝性疾患モデルの原因となりうる遺伝子バリアントは3件検出されたが、病的意義の確立には至らなかった。
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