この研究は、超音波エラストグラフィー法を用いた心不全における臓器うっ血の評価方法を確立することを目的として行われた。我々は心不全患者65例と急性心不全患者115例を対象として、心不全退院時に超音波エラストグラフィー法による脾硬度の測定を行った。その結果、超音波エラストグラフィー法による脾硬度が、右心カテーテル検査による右房圧と強く相関し、急性心不全の予後予測因子となることが分かった。この研究は、超音波エラストグラフィー法が心不全における臓器うっ血の評価に有用であることを示し、心臓と脾臓の連関であるcardio-splenic axisにも新しい知見をもたらすものと考えられる。
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