診断技術の向上により、近年トランスサイレチン型アミロイドーシスの症例は従来想定されていたよりも多いと考えられるようになり、更に2019年より本邦でもトランスサイレチン型アミロイドーシスに対する疾患修飾療法が保険承認されている。しかし開発・承認が進んでいる新規治療法の多くは非常に高額である一方、治療対象の多数を占める野生型トランスサイレチン型心アミロイドーシスは加齢を一因とした疾患であることから、そのような患者を対象とした高額治療が費用対効果に見合ったものかどうか、あるいは医療経済に与える影響がいかなるものかまだ十分には検討されていない。本研究は研究者の所属する研究機関にお いてタファミジスなどの新規治療薬の費用対効果と、治療が有効性が最も期待できる症例(レスポンダーと定義)の同定を検討することを目的とする。 本年度は、前年度に引き続き新規治療薬を導入した症例の前向き登録を継続し、トランスサイレチン型アミロイドーシスの患者データベースの作成を継続して行った。また作成されたデータベースを元に、同疾患の治療効果に関する学会発表を日本超音波医学会第95回学術集会にて行った。
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