研究課題
若手研究
PTX耐性非小細肺がん細胞株H1299やPTX感受性非小細胞肺がん細胞株A549を用いて作成したPTX耐性株(A549-PR)にPTXを投与したところ、mitotic slippageが亢進しており、耐性機序としてmitotic slippageの関与が考えられた。これらの細胞株に対してPTXとNHEJ阻害効果のある薬剤を併用したところDNA2本鎖切断がより多く生じ、相乗的な抗腫瘍効果を認めた。NHEJ機構抑制はde novoのPTX耐性あるいはPTX獲得耐性を克服する手段となるかもしれない。
肺がん
非小細胞肺がんに対して使用されているPTXの耐性機序であるmitotic slippageによる細胞死の回避に対してDNA修復機構であるNHEJ機構の抑制が有効であることを示した初めての研究である。さらなる検討が必要だが、今後の肺癌治療の発展の一助となる可能性があると考える。