研究課題/領域番号 |
20K17174
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏夫 筑波大学, 医学医療系 臨床腫瘍学/腫瘍内科, 専任講師 (70771856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺癌 / 癌ニッチ / がん関連線維芽細胞 / 細胞間相互作用 / 空間的トランスクリプトーム解析 / 肺癌オルガノイド / EGFR変異陽性肺腺癌 / 薬剤耐性 |
研究成果の概要 |
癌微小環境、特に癌細胞と線維芽細胞の相互作用に焦点を当てた治療戦略の開発が求められる中、本研究はF2-Isoprostanes(F2-IsoPs)によるシグナル伝達が癌の進行や治療抵抗性に与える影響を検証した。F2-IsoPsはThromboxane-Prostanoid受容体(TPr)を介して線維芽細胞を持続的に活性化し、その解除にはTPr antagonistが有効で、EGFR変異肺癌でのEGFR-TKIとの併用効果も確認された。しかし、空間オミックス解析からはTPr陽性線維芽細胞の分布が癌細胞周囲に特に多いことを示せなかった。
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自由記述の分野 |
呼吸器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性炎症および線維化病態は発癌母地として様々な臓器で問題になり、そこで発生した癌は難治性であることが知られているが、線維化のエフェクター細胞である線維芽細胞と癌細胞の相互作用をターゲットにした治療戦略は確立していない。本研究によってがん関連線維芽細胞がF2-isoprostanesシグナルを介して持続活性化し、癌の難治化を誘導している結果が示唆された。一方、空間オミックス解析ではF2-Isoprostanesの受容体であるThromboxane-Prostanoid receptorの発現は癌細胞に隣接する位置でのみ発現するわけではなく、他のシグナル経路も本病態に関与していることが示唆された。
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