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2020 年度 実施状況報告書

全エクソン解析による日本人における間質性肺炎疾患関連遺伝子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17177
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

岡本 師  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (60724200)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード家族性間質性肺炎 / 間質性肺炎 / エクソーム解析
研究実績の概要

約40例の家族性間質性肺炎症例についてDNAサンプルを収集した。各症例につき臨床情報の収集、家系図の聴取を行い、また、DNAサンプルの濃度や質の評価を行った。そのうち家系図を含む臨床情報が十分に得られ、かつ若年発症であり、間質性発症者の多い家系を中心に16症例を選定した。
その16症例のDNAサンプルについて、タカラバイオに下記の内容を外注委託した。①サンプルの品質をBioanalyzerによる電気泳動および濃度測定を行い確認。②DNAサンプルを数百bpに物理的に断片化を行い、二本鎖DNAの両末端にアダプターを付加したフラグメントライブラリーが作製された。③SureSelect Human All Exon V6(アジレント・テクノロジー社)を用いてターゲット領域を濃縮し、タグ配列を有するプライマーを用いてPCR増幅を行い、シーケンスの鋳型となるDNAライブラリーを作製。④DNAライブラリーを混合し、NovaSeq システム(イルミナ社)を用いて、全エクソームシーケンスを行い、シーケンサー付属のソフトウェアにより塩基配列(リード配列)を得た。タグ配列に基づき塩基配列(リード配列)を分類された。塩基配列(リード配列)のファイルはFASTQ形式で納品された。
得られたFASTQ形式のデータをゲノムデータベースを用いてマッピングし、サンプルの変異ファイルを作成した。そのうえで、データの加工を行い、絞り込み解析を施行中である。FASTQデータからの遺伝子解析は、東京医科歯科大学疾患バイオリソースセンターの田中敏博・須藤毅顕と共同で行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画の時点では、2021年度、2021年度内に、DNAおよび臨床情報の収集、DNAサンプルを用いてエクソン領域の濃縮、ライブラリーの作成、次世代シークエンサーを用いて全エクソンシークエンスを行うことが目標であった。2020年度内にすでに全エクソンシークエンスが終了しており、2022年度の計画であった解析作業に入っている。ただし、解析結果次第では、今後も追加のDNAサンプルを用いて全エクソンシークエンスを追加する可能性がある。現在行っている遺伝子解析による結果を適切に解釈し、さらなるDNA検体の必要性を検討していく。

今後の研究の推進方策

計画通り、あるいは計画時点の想定よりも早く進んでいる。今後は16サンプルの全エクソンシークエンスの遺伝子解析を行う。マッピングからの変異ファイル(VCFファイル)の作成は終了しており、東京医科歯科大学疾患バイオリソースセンターの田中敏博・須藤毅顕と共同でデータの加工や絞り込み解析を継続していく。
解析結果からDNAサンプルの追加が必要になった際のサンプルは調整済みである。その場合には迅速に同様のDNA処理・解析を行っていく。
解析により何らかの意義のある遺伝子多型を認めた場合、その遺伝子の機能解析を検討していく。

次年度使用額が生じた理由

全エクソンシークエンスに係る費用について、16サンプル同時に外注へ提出したため予想よりも安価であった。得られたFASTQデータの解析を東京医科歯科大学疾患バイオリソースセンターに依頼したため、解析のための外注費用が不要となった。
解析結果次第では、DNAサンプルを追加で全エクソンシークエンスする必要がでる可能性がある。また、遺伝子解析で得られた結果を検証するために、遺伝子発現解析を含めた機能解析が必要となる可能性がある。

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公開日: 2021-12-27  

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