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2021 年度 実施状況報告書

PD-1阻害薬の耐性化機構におけるMUC1の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K17182
研究機関広島大学

研究代表者

難波 将史  広島大学, 病院(医), 助教 (40848090)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード肺癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / MUC1 / KL-6
研究実績の概要

PD-L1が高発現にも関わらず、PD-1阻害薬の治療効果が得られないような症例において、どのような免疫逃避経路が関わっているかについては諸説報告されているもののまだ一定のコンセンサスは得られていない。本研究の目的は、MUC1がPD-1阻害薬を介した免疫細胞の免疫応答(抗腫瘍効果)にどのような影響を与えているのか、つまり耐性獲得(免疫逃避)に関わっているかどうかを明らかにすることである。
実験1.肺癌患者におけるPD-L1およびMUC1(KL-6)発現の評価
肺癌患者125名のうち、78名の組織検体を用いて、MUC1(KL-6)の免疫組織化学染色を行った。分布形態やスコアリングをいくつか試して解析を行ったが、血清KL-6や治療効果との相関関係はなかった。原因としては、組織検体の採取時期と血液検査の時期がずれていたことや気管支鏡下肺生検検体が多かったことなどが考えらえた。2019年以降は免疫チェックポイント阻害薬と化学療法との併用療法が増えてきたため、純粋な免疫チェックポイント阻害薬の効果判定が難しく、症例数はこれ以上増やさないこととした。
実験2.肺癌細胞株におけるMUC1(KL-6)の発現とNivolumabの治療効果の評価
肺癌患者の胸水からの癌細胞株の樹立については、新型コロナウイルスの影響により患者数が減ったことや実験室を使用できない時期があったこともあり、胸水を採取できた症例がほとんどおらず、新規細胞株を樹立することができなかった。複数の肺癌細胞株の準備はできており、KL-6およびPD-L1の発現を現在評価中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスの蔓延の影響もあり、臨床業務に追われており、思ったように研究に時間をさけなかった。

今後の研究の推進方策

すでに樹立された肺癌細胞株を複数準備することはできている。PD-L1発現とMUC1の発現状況をフローサイトメトリーで適宜評価中であり、これらを操作することによって免疫チェックポイント阻害薬に対する感受性の変化が起こるかどうかを検討していく。もちろん肺癌患者の胸水細胞からの新規細胞株樹立も両立させる予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響もあり、日常業務に追われていた影響もあり、実験が進まなかったことが影響している。細胞株の準備はしており、本来昨年度から開始する予定であったフローサイトメトリーや免疫染色の実験器具等をそろえて実験を進めていく予定。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Conversion from Positive to Negative EGFR Mutation due to Clonal Selection during Long-Term Treatment with Epidermal Growth Factor Receptor-Tyrosine Kinase Inhibitors: A Case Report2021

    • 著者名/発表者名
      Masatomo Ueda, Masashi Namba, Kentaro Tokumo, Tadashi Senoo, Wataru Okamoto, Masami Yamauchi, Noboru Hattori, Kazuhiko Sugiyama
    • 雑誌名

      Case Reports in Oncology

      巻: 14 ページ: 1447-1453

    • DOI

      10.1159/000518246

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 急速に増大する左肩甲骨腫瘤のCTガイド下針生検が診断に有用であった肺癌の1例2021

    • 著者名/発表者名
      大崎 慶子, 難波 将史, 徳毛 健太郎, 三谷 英範, 帖佐 啓吾, 山内 理海, 岡本 渉, 粟井 和夫, 杉山 一彦
    • 雑誌名

      広島医学

      巻: 74 ページ: 381-384

    • 査読あり
  • [学会発表] A case of thymoma with systemic capillary leak syndrome that responded to high-dose steroid therapy2022

    • 著者名/発表者名
      M Namba, K Tokumo, M Yamauchi, W Okamoto, K Sugiyama
    • 学会等名
      第19回日本臨床腫瘍学会学術集会
  • [学会発表] STK11/KEAP1変異による治療抵抗性が疑われた肺癌患者の一例2021

    • 著者名/発表者名
      難波 将史, 徳毛 健太郎, 杉山 一彦
    • 学会等名
      第62回肺癌学会学術集会
  • [学会発表] Current status and future challenges of lung cancer genome medicine at our hospital2021

    • 著者名/発表者名
      M Namba, K Tokumo, M Yamauchi, H Nakahara, Y Urabe, C. Nelson Hayes, Y Teratani, R Kobayashi, R Itamura, M Motonaga, K Yamaguchi, S Sakamoto, T Masuda, K Fujitaka, W Okamoto, K Arihiro, E Hiyama, N Hattori, T Hinoi, K Sugiyama
    • 学会等名
      The 25th Congress of the Asian Pacific Society of Respirology
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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