研究課題
本研究は、おもに血液悪性腫瘍に合併する腫瘍随伴天疱瘡(PNP)と薬剤に起因し発症する稀少疾患で重症薬疹であるStevens-Johnson症候群 (SJS)およびその重症型である中毒性表皮壊死融解症 (TEN)の類似性に着目し、その臨床背景にある免疫学的機序の共通性を明らかにすることで、稀少難病である SJS/TENの病態解明の糸口とすることを目的とする。慢性呼吸器合併症をもつSJS/TEN患者を対象に、PNPに関連自己抗体(抗Dsg3/1抗体、プラキンファミリー蛋白抗体)の血清免疫学的検討を予定する。本年は当院眼科SJS外来通院中、もしくはSJS患者会の患者でSJS/TEN発症以来持続的に呼吸器症状を有する患者を、SJS呼吸器外来診察時に同意取得・患者集約を行い、血液検体の収集を行う計画であったが、COVID感染症蔓延・定期外来受診控えの影響があり集約が遅れている。しかし現在3名の呼吸器症状を持つSJS/TEN患者の検体収集を行い、引き続き次年度以降も診療を通じて集約に努める。同時に上記血清学的検討を進める予定である。
3: やや遅れている
本学は2018年よりSJS/TEN呼吸器併存症臨床研究(ERB-C-1245京都府立医科大学承認)を実施し、当院SJS/TEN専門外来・患者会を通じてSJS/TEN呼吸器合併症を有する患者の診療を行っている。本年は検体収集を予定したが、社会状況(COVID-19感染症蔓延)によりSJS/TEN患者の定期外来通院が減少したため患者集約が予定よりも遅れた。
引き続き次年度以降も診療を通じて検体収集を行い、上記検討を進める予定である。ELISA法にて抗エンボプラキン抗体、抗ペリプラキン抗体、抵デスモプラキン抗体、抗Dsg3/1抗体を測定する。
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Allergology International.
巻: 14 ページ: 465-467
10.1016/j.alit.2020.01.003