Stevens-Johnson症候群 (SJS) およびその重症型である中毒性表皮壊死融解症 (TEN)はNSAIDSや感冒薬・抗てんかん薬内服を契機に発症する重症薬疹である。急性期は体幹・四肢に水疱・びらんを主体とした多彩な皮膚病変や失明に至る重篤な眼合併症を認める。腸粘膜障害や尿管粘膜など全身の粘膜に障害を起こすほか、呼吸器合併症としては閉塞性細気管支炎が報告されるが、頻度も少なくその病態もあきらかではない。BO併発症例は呼吸不全による死亡率が高く、気道粘膜炎症の病態解明は、患者に適切かつ有効な治療を提供するためにも切に望まれている。
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