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2020 年度 実施状況報告書

酸化ストレスを用いた間質性肺炎の病勢評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K17211
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

飯島 裕基  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60721553)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード間質性肺炎 / レドックスバランス / 酸化ストレス
研究実績の概要

酸化ストレスは、様々なストレス下や炎症によって生じる活性酸素と抗酸化物質のレドックスバランスの異常である。近年、酸化ストレスと肺の線維化が密接に関与し合っている事が明らかになってきている。これまでに、健常者と比較した間質性肺炎患者の血液検体や尿検体の解析から、同疾患における活性酸素の増加や抗酸化物質の低下、活性酸素と肺機能の相関について示した報告が散見される。本検討では間質性肺炎患者において、レドックスバランスが線維化の進行に伴いどのような変動パターンを示すのかを明らかにし、次にレドックスバランスの定点評価がその後の線維化進行速度の予測に有用であるかについて明らかにしたいと考えている。
レドックスバランスを評価する上で各サンプル中の酸化ストレスと抗酸化力を測定し、それぞれのバランスを経時的に追っていく必要がある。前者として8-hydroxyguanosine (8-OHG)やMalondialdehyde (MDA)、Hydroperoxideなどが、後者としてGlutathioneやSuperoxide Dismutaseなどが使用されている。これらの中でも酸化ストレスの評価として比較的簡便で再現性の良いHydroperoxideの評価をdROM testを用いて行った。また抗酸化力の評価はサンプルに含まれる水溶性の抗酸化物質,尿酸,アスコルビン酸, タンパク質,ビリルビンおよびポリフェノール類などを総合的に評価できるBAP testを用いて行った。これらの方法により、間質性肺炎の精査目的に入院となった患者から採取した血液検体から血清を分離しレドックスバランスに関する定点評価を行った。現在も症例集積中である。また、呼気凝集液の採取及び気管支鏡による気管支肺胞洗浄液の保存を行い、これについても同様の評価を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

各症例の血液検体を用いたレドックスバランスの評価に関する測定環境を整備し、また再現性を確認した。一方で、呼気凝集液や気管支肺胞洗浄液を用いた評価については、測定濃度が極めて低値であり十分な再現性が得られず、検体の適性について再検討していく必要がある。また2020年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延により間質性肺炎の精査入院数が極端に減少したため、2021年度は症例を増やしていく必要がある。

今後の研究の推進方策

引き続き、対象症例の蓄積と血清を用いたレドックスバランスの評価を継続する。新型コロナウイルス感染症の診療と並行して通常の間質性肺炎の入院診療も再度拡張していき、症例の蓄積を進める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、検査対象となる通常の間質性肺炎の精査入院患者数が減少し研究の進捗が極端に遅れたため、結果的に試薬などの購入の必要性がなかったため。2021年度は通常診療に近い形で検査対象が着実に増えてくると予想されるため、その際の試薬購入や検査機器の補填などに充てる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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