研究課題
H1975、EBC-1肺がん細胞株および外因性MET発現CHO-K1細胞を糖鎖阻害剤(ツニカマイシン・NGI-1)で処理した。Western BlottingでMETのプロセシングおよびトラフィッキングが抑制すされていることを明らかにした。また、METの細胞外ドメインを糖鎖阻害薬で処理することで培養液中への分泌能が低下することを明らかにした。METの細胞外ドメインを精製し、nano LC-ESI-MS/MS質量分析法を用いて、部位特異的な糖鎖構造を決定した。その結果、METのN型糖鎖はシアル酸とコアフコースが豊富なcomplex型が主流であることがわかった。さらに、N型糖鎖を欠失させた変異体を作製し、METのAsn-399上のN型糖鎖を欠失させると、受容体のリン酸化や二量体化が抑制され、woud-healing areaが低下することを明らかにした。METのリコンビナント細胞外ドメインをPNGaseFで処理し糖鎖を全て欠失させたものを精製し、表面プラズモン共鳴法でリガンドであるHGFとの結合能を評価した。その結果、糖鎖を全て欠失させてもリガンドとの結合能は変化なかった。これらのデータは今後のMET研究の基礎となりうる。
2: おおむね順調に進展している
当初予定していた実験を進めることができている。
糖鎖欠損変異体を複数種類作成すること、リガンド結合や二量体化に重要とされているSEMAドメインの糖鎖に着目し、SEMAドメイン上の全ての糖鎖を欠損させて場合どうなるか、α鎖・β鎖の糖鎖のみを欠損させた場合どうなるか、今後評価予定である。
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