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2021 年度 実施状況報告書

真菌メラニンを認識する新規レクチン受容体(MelLec)を介した喘息の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17230
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

戸根 一哉  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70867423)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードMelLec / 喘息 / 共刺激分子 / 樹状細胞 / 内皮細胞 / DHNメラニン / CD86
研究実績の概要

難治性慢性気道疾患である喘息の病態解明と新規治療薬の開発は喫緊の課題である。研究代表者はこれまでにMelLecノックアウトマウスを用いた喘息モデルを用いて、MelLecがAspergillus fumigatusのDHNメラニン認識を介してTh17応答を誘導し、好中球性気道炎症を惹起し、喘息病態を悪化させ得ることを見出した。しかしながら、Th17応答誘導メカニズムは明らかとなっておらず、ヒトにおけるMelLecの役割も未解明である。研究代表者はMelLec喘息マウスモデルで樹状細胞と、MelLecを発現する内皮細胞上の共刺激分子を解析した。その結果、肺内の樹状細胞上のCD80/86, OX40L, PD-L1の発現は野生型マウスとMelLecノックアウトマウスで差が認められなかった。今後、樹状細胞のサブタイプを詳細に解析し、抗原提示からエフェクターTh17細胞の活性化までのメカニズムを明らかにする必要がある。一方で、興味深いことに、CD31陽性内皮細胞上のCD86の発現が野生型群で有意に増強している結果を得た。本結果から、マウスのMelLecを介したTh17応答誘導において、内皮細胞上のCD86が関与している可能性が示唆され、今後樹状細胞とMelLecを発現する内皮細胞の相互関係を解析する予定である。また、ヒトにおけるMelLecの役割を明らかにするために、ヒトMelLec特異的モノクローナル抗体と初代培養細胞を用いて検討を行った。その結果、マウスと同様に、ヒトMelLecは内皮細胞に広く発現しており、CD45陽性骨髄系細胞表面には発現していないことを見出した。今後ヒトの肺組織検体を用いてMelLecの特性、役割を明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

想定していたよりも、実験に必要な試薬、細胞の入手に時間を要したため研究が遅れていたが、MelLec形質転換NIH3T3細胞、抗MelLec抗体を用いた予備実験が終了した。現在、ヒトの肺切除検体を用いた実験のため準備を進めている段階である。

今後の研究の推進方策

ヒトの肺切除検体と共焦点レーザー走査型顕微鏡 FV3000システム(オリンパス社)を用いてMelLecを発現する細胞の特定と、MelLecがどのようにDHNメラニンを認識し機能を果たすのか、解析を行う。また、MelLecの喘息病態への関与を明らかにするために、喘息合併と非合併例の肺癌等の肺手術残余検体と末梢血を用いて、MelLecの遺伝子多型と、表現型および発現量をRNA、タンパクレベルで比較検討する。

次年度使用額が生じた理由

想定していたよりも研究が遅れているため残額が生じているが、今後ヒトの検体を用いた実験を行うため、必要物品を適宜購入する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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