本研究課題では日本人の癌の部位別死亡順位で、常に上位にある肺がんについて、癌幹細胞の維持機構に注目し研究を行った。癌幹細胞は薬剤耐性獲得・転移などに深く関与していることが報告されており、申請者はこれまでに低酸素応答因子のHIF-1aの発現上昇によって肺がん細胞が薬剤耐性を獲得すること、癌幹細胞の数が増加することを示している。そこで本研究ではHIF-1aの転写活性の有無によって癌幹細胞の維持機構が変化するかをタンパク質修飾の1つであるO-Glc-Nac修飾に着目して研究を行った。O-Glc-Nac修飾りん酸化修飾などと同様にタンパク質の機能調節を行うことが知られており、解糖系の一種である。
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