研究課題/領域番号 |
20K17239
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
宮田 純 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 内科, 助教 (80464866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 好酸球 / トランスクリプトミクス解析 / プロテオミクス解析 |
研究実績の概要 |
本研究では好酸球の解析により全身病態や細胞外環境を予測することを可能とするシステムを構築することを目的としている。これは申請者の研究成果として重症喘息・好酸球性副鼻腔炎での全身的もしくは炎症局所的な好酸球の性質変化が同定されたことから着想を得たものである。同研究では2型サイトカインや微生物応答が上流因子としての重要性を報告したが、好酸球はホルモンや脂質を含む多種多様な因子に応答可能な細胞であり、最終的な細胞表現型の制御は更に複雑であると推察される。初年度は特にこの刺激因子の特定に注力した。 オミクス解析データベースの分析による表現型を誘導する上流因子の候補の探索が初年度の課題であった。これまでのオミクス解析のパスウェイ解析データに加えて、個々の因子を項目別に分けて詳細に解析した。以上から、IL-5及びIL-5以外の炎症性の因子が重要であることを確認した。候補として2型サイトカインのIL-4、IL-33が挙げられている。 in vitroにおける長期培養による評価系での表現型の解析は主に2年目の課題であるが、上記結果が得られたことにより初年度から計画を進めた。プロテオミクス解析とトランスクリプトミクス解析を組み合わせた手法により施行し、複数のサイトカインが炎症性・アレルギー性の好酸球の誘導に必須であることを確認した。現在は下流に存在する発現因子に対する阻害剤などを用いて、好酸球の機能制御の方法論の確立に向けて計画が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度において当初の計画よりも先の段階まで進んでいる。臨床検体を用いた実験が最終段階となるが、一部の検体は既に収集されており、準備が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
プロテオミクス解析・トランスクリプトミクス解析を積極的に取り入れることで、研究計画の成果をより確実で普遍性のある知見が得られるように進めていく。臨床検体は当該疾患の症例を診断することが入手のために重要であり、施設内での連携を強化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に施行したオミクス解析にて計画にとって有用な知見が得られたため、残りの期間は解析データの解釈に時間を費やした。2次年度以降もオミクス解析を中心とした計画を続行する使用計画となっている。
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