本研究では、急性腎障害(AKI)患者(n=99)の尿中Epidermal growth factor(EGF)をELISAで測定し、尿細管障害の重症度および腎予後との関連を調べた。健常人と比較し、AKIで尿中EGFは有意に減少していた(14522 ± 2190 vs 3201 ± 459.7 pg/mL、p<0.05)。腎性AKIでは、腎前性AKIよりも尿中EGFは有意に低かった。AKIステージ3では、AKIステージ1よりも尿中EGFが有意に低かった。血清EGFと尿中EGFに有意な相関を認めなかった。以上より、尿中EGFはAKI後の尿細管修復を反映する非侵襲的なマーカーとして有用と思われた。
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