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2020 年度 実施状況報告書

腎臓再生医療を目指した異種後腎移植における血管侵入の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K17258
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

松本 啓  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30439799)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード腎臓再生 / 血管侵入 / 後腎移植
研究実績の概要

目的:我々は再生医療による移植可能腎の新規発生及びその移植法を検討しており、遺伝子改変動物胎仔腎臓を足場として、そこにヒト幹細胞を注入することによりヒト細胞由来の腎臓を作製し、将来のヒト臨床応用を目指している。新規発生腎を効率よく機能させるためには、レシピエントの血管が新規腎内部に引き込まれる必要があるが、これまでの検討では侵入血管による血流は十分でないことが問題となっていた。そこで本研究では、血管内皮増殖因子(VEGF)により、新規発生腎の足場となる膀胱付き胎仔後腎(クロアカ)への血管侵入が改善するか検証を行った。
方法:LewisラットのクロアカをLewis成獣ラットの大動脈近傍の後腹膜腔に移植し、2週間後に回収し組織学的解析を行った。移植時にVEGFを投与する群と投与しない群に分けた。組織学的解析では、HE染色及び血管内皮細胞を標的としたCD31免疫染色を行った。
結果:組織解析においてVEGF群では侵入血管の最大径が2倍程度に増大し、侵入する血管の数も増大する印象を得た。また、VEGF群では新規腎の皮髄境界が明瞭化する傾向が見られた。しかしながら、現時点でその結果に統計学的有意差はない。
考察:VEGF投与はクロアカに対して血管侵入の効率を改善する可能性が示唆された。この血管侵入の改善がクロアカの極性を強め、皮髄質境界の明瞭化を引き起こした可能性が考えられる。しかしながら、この検討では現時点で統計学的に有意な差は得られていないため、今後のさらなる追加検討が必要と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の診療により、研究遂行時間が制限された。しかしながら、現在は順調に研究再開できている。

今後の研究の推進方策

研究の本質である「侵入血管の質」を改善すべく、種々のペプチド添加や移植方法の改善なども行い、より良い研究成果を得られるように務める。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19診療により大幅に時間が割かれたため、研究時間の捻出に苦慮した。
現在は順調に研究できているため、次年度使用額も順次使用していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 血管新生能向上を目的としたラット胎仔総排泄腔移植モデルに対するVEGF効果の検討2020

    • 著者名/発表者名
      加藤瑠惟、松本啓、斉藤弥積、藤本俊成、高村毅、松本直人、高瀬健太郎、田尻進、山中修一郎、横尾隆
    • 学会等名
      第63回日本腎臓学会学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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