研究課題/領域番号 |
20K17269
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
木島 真理恵 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 特任研究員 (70846310)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 代謝疾患 / 腎臓 / 細胞死 / ヒストン / 糖尿病性腎臓病 |
研究実績の概要 |
糖尿病性腎臓病は、慢性的な高血糖によって発症する細小血管障害の一つであり、活性酸素の産生増加、慢性的な微小炎症、血行動態異常等が成因として考えられている。これらの成因には、腎構成細胞の増殖や細胞死等の機能の破綻がおこると考えられている。そのため、細胞死は腎機能において重要な現象であることが考えられる。一般的に、細胞死は様々な疾患や組織の損傷に関与する。そのため、糖尿病関連疾患の発症・進展においても細胞死の起こりやすさが重要であることが考えられる。しかし、腎構成細胞における細胞死の感受性を規定する因子に関しては不明である。申請者は、これまでに、リンカーヒストンH1(以下、H1)と細胞死の関連に関して研究を行い、H1が細胞死の際に起こる現象に対する感受性を制御する因子であることを明らかにした。しかし、腎構成細胞の細胞死における詳細なメカニズムは不明であり、H1タンパク量との関連に関する報告は皆無である。したがって、本研究では、腎構成細胞でのH1発現の調査とH1タンパク量に着目した腎構成細胞死の詳細なメカニズムの解明を目的とする。 今年度は、正常時と糖尿病性腎臓病時における腎構成細胞でのH1発現量の調査を目的に取り組んだ。具体的には、糖尿病性腎臓病を呈するマウスの選択、腎構成細胞でのH1発現領域を評価できる抗体の選択、細胞死の評価を行った。使用したマウスは、10週齢の糖尿病性腎臓病モデルマウス (db/db)とその対照マウス (db/+m)である。まず、PAS染色とTUNEL染色を行ったが、糸球体構造の異常や死細胞は検出できなかった。さらに、複数の抗H1抗体と染色条件を検討し、実験に使用可能な抗体と染色条件を選択した。そして、選択した抗H1抗体を用いてDAB染色を行ったところ、近位尿細管、遠位尿細管、ボーマンのう上皮、メサンギウム細胞で発現していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年4月の緊急事態宣言により、研究所内での業務の制限がかけられたことで新規研究テーマの取り組みが禁止され、開始が遅れてしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、より週齢の高いマウスで検討し、細胞死や糸球体構造に変化が起きているかを調べ、H1の発現量との関連を調べていく予定である。引き続き、H1量に着目した腎構成細胞における細胞死のメカニズムの解明を目指し、研究に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究テーマの進捗が遅れたためである。当初、実施予定であった実験を次年度に延期し、その費用として繰り越した。
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