研究課題
最終年度に実施した研究成果;腎生検を施行した症例(Alport症候群・腎不全、微小変化型ネフローゼ症候群、紫斑病腎炎、非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎、ループス腎炎、IgA腎症)の腎生検標本上で、Stage specific embryonic antigen 3(SSEA-3)抗体を用いた免疫染色を施行した。Alport症候群・腎不全、非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎、IgA腎症では糸球体、Bowman嚢、尿細管にSSEA-3陽性細胞を認めた。一方で、微小変化型ネフローゼ症候群、紫斑病腎炎、ループス腎炎(ステロイド投与後)では陽性細胞が認められなかった。研究期間全体を通じて実施した研究の成果;R2年度)二次元培養した尿中落下細胞を固定し、幹細胞マーカーであるアルカリフォスファターゼ陽性細胞が存在することを確認した。また、二次元培養した尿中落下細胞を石灰化検出キット、オイルレッドOで染色し、骨・脂肪細胞への文化を確認した。R3年度)尿中落下細胞上にできる細胞塊でアルカリフォスファターゼ陽性を確認した。この細胞塊がES細胞塊のような多能性を持つ可能性を考え、RNAを抽出した。R4年度)尿中落下細胞の提供を受けた腎疾患患者の腎生検標本を抗SSEA-3抗体を用いて染色した、Alport症候群の3例、感染関連腎炎の1例で陽性細胞を確認した。二次元培養した尿中落下細胞およびその中に形成される細胞塊からRNAを抽出し、Oct3/4やNanogの発現について検討したが、サンプル不良により結果が得られなかった。
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Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
巻: Advance online ページ: online
10.3164/jcbn.24-8