小児腎臓病患者の尿中に障害された腎組織を再生する幹細胞が含まれるという仮説をたて検証を試みた。小児腎臓病患者から尿検体の提供を受け、尿中落下細胞を培養した。接着細胞上にES細胞様のClusterが形成された。これらのClusterは未分化・幹細胞のマーカーであるアルカリフォスファターゼ陽性の細胞が含まれ、また多能性幹細胞(Muse細胞)のマーカーであるSSEA-3陽性細胞が含まれた。上記の結果から尿中落下細胞に幹細胞が含まれると考え、患者の腎生検標本上でSSEA-3染色を行った。一部の患者検体で糸球体を構成する細胞にSSEA-3陽性を認め、この幹細胞が糸球体を修復している可能性が示唆された。
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