研究課題/領域番号 |
20K17279
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南 聡 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (00791592)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肥満関連尿細管症 / リソソーム / オートファジー / 飽和脂肪酸 / TFEB / FGF21 |
研究成果の概要 |
本研究は肥満関連尿細管症(ORT; obesity-related tubulopathy)の病態を詳細に検証した。その結果、①飽和脂肪酸負荷下で最も活性化する転写因子としてTFEBを同定し、②その活性化は飽和脂肪酸のもつmTORC1非古典的経路の抑制作用によること、また③ORTで活性化するTFEBはリソソーマルエクソサイトーシスの促進に伴う内部に蓄積する未消化物の尿細管腔内放出を介して腎臓病進展抑制に働くことを明らかにした。他にも本研究ではORTにおいてFGF21の産生が亢進し、このFGF21がオートファジー停滞改善・ミトコンドリア生合成促進を介して腎臓病進展に対抗するという機構を同定した。
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自由記述の分野 |
腎臓内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により①ORTの病態では尿細管でTFEBが活性化しリソソーマルエクソサイトーシスを亢進することによりリソソーム恒常性を維持しORTに対抗していること、②ORTの病態では尿細管でFGF21の産生が亢進しミトコンドリア生合成促進ならびにオートファジー停滞改善を介してORTに対抗していること、が明らかとなり、これまで大部分が未解明であったORTの病態メカニズムの一端を解明することができた。以上から今後は肥満関連腎症や糖尿病関連腎臓病に対して、TFEB-リソソーマルエクソサイトーシス経路の活性化やFGF21産生の促進を標的としたORTの病態に即した治療法の開発が期待される。
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