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2021 年度 実施状況報告書

マイクロRNA解析による特発性ネフローゼ症候群の病態解明と新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K17283
研究機関岡山大学

研究代表者

辻 憲二  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10816995)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードネフローゼ症候群 / マイクロRNA
研究実績の概要

本研究は、特発性ネフローゼ症候群について、エクソソーム内のマイクロ(micro)RNAの観点から新たな病態機序解明を行うものである。特発性ネフローゼ症候群(巣状分節性糸球体硬化症/微小変化型ネフローゼ症候群)患者血清よりエクソソームを抽出しエクソソーム内の因子が病態に関与することをin vivo及びin vitroにおいて評価し、さらに患者血清エクソソームより抽出したmicroRNAの解析により疾患特異的に変化するmicroRNAをリストアップし、それらのmicroRNAmimicを作成してin vivoおよびin vitroの系を用いて糸球体上皮細胞障害を呈する疾患特異的なmicroRNAの特定を目指している。特発性ネフローゼ症候群患者及び対照群より採取した血清よりTIM4法を用いたエクソソーム抽出キットを用いてエクソソームを抽出した。抽出エクソソームを透過型電子顕微鏡を用いて評価し、純度の高いエクソソーム抽出を確認した。また、エクソソーム特異的抗体を用いたイムノブロット法により抽出エクソソーム分画におけるCD63及びCD9の陽性及びグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の陰性を確認した。以上より純度の高いエクソソーム抽出に成功したと考えられた。
現在ネフローゼ症候群症例の検体を収集しつつ、抽出したエクソソームを用いたmicroRNAの解析及びin vivo及びin vitroの系における病態への関連についての検討を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染蔓延に伴う影響のため、ネフローゼ症候群患者の入院が例年より少ないため症例の蓄積の面において予定より遅れが認められている。

今後の研究の推進方策

ネフローゼ症候群患者及び対照群より抽出したエクソソームを用いたmicroRNAの解析及びin vivo及びin vitroの系における病態への関連についての検討を進めていく。
具体的には抽出エクソソームの野生型ラットへの投与及びその後の蛋白尿及び糸球体上皮細胞障害の解析を行う。また培養糸球体上皮細胞に抽出エクソソームを添付し培養後の細胞から蛋白質及びRNAを抽出してウェスタンブロット法、定量PCR等により上皮細胞の形態的及び形質的変化を解析する。また免疫蛍光抗体法による蛋白発現の強弱及び発現部位の評価を行いNephrin, CD2AP, Podocin等の上皮細胞特異的蛋白の発現の評価及び局在及びアポトーシス、ネクロプトーシスを含めた糸球体上皮細胞障害の機序の解明も目指す。
さらに抽出エクソソーム内のmiRNAの解析をアレイ解析を用いて検討を予定している。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の蔓延に伴って、ネフローゼ症候群患者の入院が少なく、当初の予定よりも症例が少ないため、次年度に持ち越しとなっている。次年度においては、現状の症例を用いた解析を予定しており前年分と合わせた助成金の使用を見込んでいる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Potential Strategies for Kidney Regeneration with Stem Cells: An overview2022

    • 著者名/発表者名
      Kenji Tsuji, Shinji Kitamura and Jun Wada
    • 雑誌名

      Frontiers in Cell and Developmental Biology

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Semaporin3A inhibitor ameliorates renal fibrosis through the regulation of JNK signaling2021

    • 著者名/発表者名
      Yizhen Sang, Kenji Tsuji, Kazuhiko Fukushima, Kensaku Takahashi, Shinji Kitamura, Jun Wada
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Renal Physiology

      巻: 321 ページ: F740-F756

    • DOI

      10.1152/ajprenal.00234.2021

    • 査読あり
  • [学会発表] 成体腎臓幹細胞由来のエクソソームによる腎臓再生機序の解明と制御2021

    • 著者名/発表者名
      辻憲二, 喜多村真治, 和田淳
    • 学会等名
      第64回日本腎臓学会学術総会
  • [学会発表] 甲状腺機能低下症とCKDの関連性におけるCr代謝の影響についての検討2021

    • 著者名/発表者名
      内山奈津実, 辻 憲二, 喜多村真治, 稲垣兼一, 内田治仁,杉山 斉,和田 淳
    • 学会等名
      第64回日本腎臓学会学術総会

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公開日: 2022-12-28  

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