研究課題
若手研究
本研究では、ネフローゼ症候群患者の血清に含有されるエクソソームが特発性ネフローゼ症候群の病因となる可能性を探るとともに、エクソソームに含有されるmicroRNAなどの因子を解析することによって特発性ネフローゼ症候群に対する新規治療法の探求を目指すことを目的とした。ネフローゼ症候群患者の血清および血清由来エクソソームの野生型マウスへの静脈注射により、遷延する尿蛋白が惹起されたことより、糸球体上皮細胞障害の要因となる因子が両者に含有されることが示唆された。
腎臓内科
ネフローゼ症候群の病因は依然として不詳であり、特に難治性NSの主な原因である巣状分節性糸球体硬化症の治療法は十分には確立されておらず、ネフローゼ症候群が持続する症例の腎予後は不良である。今回の我々の研究により、ネフローゼ症候群の病因因子が患者血清のエクソソームに含有されることが示唆された。今後の解析によって特定の病因が解明されれば新規治療法の開発につながる可能性も期待され、これらの新規治療の開発がもたらす腎予後の改善から社会的意義は大きいと考えられる。